絞り

絞りの良さは、今晩洗えば明日また着れること。皺にならない。のりもアイロンもいらない。浴衣という和装への入口だからこそ、創業当時からこの絞りの浴衣にこだわってきました。夏の夕涼みに。休日のラフ着に。男性なら黒に、伊達襟を効かして粋に着こなせば乙。着古しても、洋服へと仕立て直して、また着続けられます。

この国で糸をとり、紡ぎ、織り染めた国産の絞りを探すのが難しい時代に。こやまでは受け継がれてきた良質な絞りの反物を存分にご覧頂けます。

 

 

仕入れ

こやま流の仕入れは、今は亡き初代の流儀が家調にあります。ほとんどの問屋が着物を借りて商売をするのに対して、初代は全国の産地や作り手の元へと直接足を運び、必ず一点一点、ちゃんと端から見てすべて買い取ってきました。良いものを見抜く力と、どんなに商売が上手く行っても決して贅沢をせず、作り手への敬愛と誠実さをもって取り組んできました。だからこそ、こやまには全国の問屋が見ても、あっと驚く商品が揃うのです。何より職人さんたちとの信頼があるからそこ、こやまには美術館に収められるような人間国宝の作品が渡ってまいりました。作り手の想いが、こやまの仕入れには込められているのです。

 

おもてなし

端切れも粗末にしない。ごみ袋一つ無駄にはしない。余り物でも極上のおもてなし料理を、お店に来てくれたお客様にお出しする。60年間、変わらずに女将がやってきた、こやま流のおもてなしは、すべて作り手の人たちや自然環境への配慮、お客様の笑顔のためにあります。だから仕立て屋さんにも、暇なときに端切れで団扇を頼む。男性の腰ひもを作ってもらう。それを、ちよっとした時にお客様に差し上げる。とにかく、人のためにちょっとしたことを。これが、こやま流のおもてなしです。